2008年3月 9日 (日)

広川太一郎さん

声優の広川太一郎さんが68歳で亡くなられたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080309-00000003-sanspo-ent

記事には、代表作として洋画の「ロジャー・ムーア」の吹き替え、テレビアニメでは「『宇宙戦艦ヤマト』の古代守や『ムーミン』のスノーク」が挙げられていたが、正直言って私はいずれも知らない。昭和51年生まれの私にとって広川さんの代表作といえば何といっても「名探偵ホームズ」の「ホームズ」である。しかしどの記事にも代表作として載っていない。私の記憶違いかもと思った。こういうときは「ウィキペディア」の出番だ。

調べてみたところ、やはり広川さんだった。幼い頃、カッコよくて優しいホームズは憧れのアニメキャラだった。我々世代の日本の当時の子供達はみな同じような思いを描いたのではないだろうか。原作のホームズを知るまでは。調べてわかった事はこのアニメは全26話、実に半年で終わった作品であるという。それじゃ代表作にも載らないや。再放送で何度もお目にかかっていただけに長く放送されていたイメージがあった。しかも1984年の放送開始までにいろいろな紆余曲折があったこと、「宮崎アニメの初期の代表作」のようなイメージを持っていたが実は6話分しか担当していなかったなど、知らなかった事(幼かった頃には知りえなかった事)がたくさんあった。

まだ68歳。後進に良き手本を示していってほしかった。演技力のない声優、本職でないまがいものが横行する今のアニメ界にまた一人、本物の声優がいなくなってしまった。謹んでご冥福をお祈りします。

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2008年1月19日 (土)

ケータイ大喜利で

NHKで人知れず放送されていた深夜のテレビ番組「ケータイ大喜利」。ラジオの深夜放送のノリで、番組で発表された「お題」に対して視聴者がケータイで答えを投稿し、生放送の番組内で答えを発表するという、およそNHKらしからぬ番組で、第1回の放送をたまたま見ていた私はそれ以来、土曜の夜に外出しているというやむを得ない時以外はすべてこの番組をチェックしてきた。なにしろ放送開始当初は、真面目なイメージの加賀美アナウンサーが答えを読み上げるという斬新なキャスティング。野球の「4番」を「よんばん」と読んで伝わらなかったりと、(以後、答えを読み上げるのは千原ジュニアになった)、様々な試行錯誤を繰り返して、現在では1回の放送で寄せられる投稿が50万本を超えるという密かな人気番組となった。

明日の「ケータイ大喜利」は、何とビックリ「テレビ東京」との「コラボレーション」が実現するという事でネットのニュースでも取り上げられていた。「ケータイ大喜利」の司会である今田耕司がテレビ東京でやっている「やりすぎコージー」という番組(うちは静岡県なので見たことはないが)の出演者が「ケータイ大喜利」に投稿し、その模様を後日「やりすぎコージー」で放送するそうである。

1月1日深夜の「ケータイ大喜利」では、今田と千原が、「年明けに他局で一緒に8時間番組をやっていた」と喋っていた。テレビ欄を見てみたら、テレビ東京で年明けから朝にかけて吉本のお笑い芸人が総出演する番組をやっていたという。さらにそこに、審査委員長の板尾創路も出ていたのだが、途中いなくなっていたという「裏話」まで披露。つまりこの番組自体、のっけから出演者が他局の話題で盛り上がるなど、従来のNHKの番組と大きく異なる番組なのである。

ゲストや企画も気合が入っている。「巨人の星」の星飛雄馬が目に炎を宿らせて「父ちゃん!」と言った後にボケる言葉を答えるというお題の時には、アニメの画像と、声優の古谷徹が生で投稿を読み上げるという徹底ぶりだ。ゲストのしょこたんでなくてもこのシチュエーションには萌えまくりである。

この番組にも、お笑い芸人が番組に参加して答えを投稿するというのは、最初の頃からあったし、その後、視聴者の投稿をメインにしてタレントの答えは少なくなったが、昨年秋のスペシャルではハリセンボンや藤井隆、ケンドーコバヤシといった(よく考えりゃ吉本オンリーか・・・)が答えを投稿している。しかし一緒に番組を作り上げているという一体感のある一般視聴者と異なり、その回だけ番組に参加しているタレントでは歯が立たない(見当違いの答えを出してしまう)というのがお決まりのパターンである。今回のコラボレーションもNHK側としては難色を示す事なく快諾した訳だが、それは「番組で採用されるようなネタを投稿してくれたらね」という条件付きなのである。一般の投稿が番組に取り上げられるのは1万分の1以下の超難関である。タレントの投稿はそれとわかる目印がついているのだろうから、意図的にテレビで取り上げる事は可能なのだが、1万分の1の難関をくぐり抜けてきた一般視聴者の選りすぐりのネタと勝負しなければいけないという現実がある。そんな番組の中で「やっぱ本職(プロの芸人)はさすがだわー」と視聴者をうならせる答えを出せるだろうか。多くの一般視聴者は、「まあ無理だろうな」という目で見ているだろう。はたして、どんな放送になるだろうか。

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2008年1月17日 (木)

世界一奇妙なクイズ2

12月にたまたま観てしまったテレビ朝日の「世界一奇妙なクイズ」。前回は収録の途中で終了となっていたが、昨晩その続きが放送された。

各分野の「ヲタ」を自認する芸能人が集まって自分の得意分野からクイズを出題し、それ以外の人が答える、という形式をとっているのだが、あくまでそれはシチュエーションに過ぎず、VTRとトークが中心の番組であった。鳥クイズや鉄道クイズなど世間一般で雑学とされるジャンルもあり、単なる「オタク」番組でない、というかそこまで深いものでもないところが、ライト・ヘヴィー双方から受けたのであろう。

加藤夏希さんが声優ヲタであるというのは新鮮な驚きだった。前回は私にとっても昔の女性声優でわからなかった声優当てクイズも今回はバッチリ正解できた。やはり三ツ矢雄二さんが「タッチ」の達也と「キテレツ」のトンガリをやっているというのは一般の人には驚かれるようだ。山寺宏一さんのキャラを「加持リョウジ」と「アンパンマン」のチーズにしてたらもっと驚かれたことだろうに。

前回と今回、目を離すことなく見たが、結局「高校野球ヲタ」として番組に参加していた「岡田ひかり」というタレントは前回と今回で1つも高校野球知識を披露することがなかった。ホントに高校野球ヲタなのか本編ではまったくわからない(テレビ朝日の番組HPで面接の動画があった)

やはり多くの視聴者にとって一番衝撃的だったのは前回の放送でゲーム音楽をキーボードで演奏した「こまつ」さんだったろう。12月に番組HPを見たときには名前しかなかったのに、いま見たら写真入りで紹介されていたあたり反響の大きさがうかがえる。で、今回も1曲披露したのだが、1月の放送では有野のゲームネタからクイズが出題されなかったあたり、急遽前回の放送でカットされた一場面を放送したように思える。

今回の放送ではしょこたんに「FFVできます?」と聞かれて演奏し始めたのだが、いきなり一曲目が「新しい世界」であった!1992年にスーパーファミコンで発売されて大ヒットしたファイナルファンタジーファイブ。私もシリーズ中もっとも好きな作品であるが、この「新しい世界」はゲームも終盤、3つ目のワールドマップで流れる曲である。このゲームを買った人のうち何割ぐらいがこの曲の流れるところまで諦めずに進めただろうかと思ってしまった。昔は、「高いお金出してゲーム買って、クリアしないで投げ出すなんて信じられない」と思っていた。当然、大作RPGは買った人のほとんどがエンディングまでたどり着いているものだと思っていた。しかし、大人になるにつれ、すべての人が買ったゲームをクリアするまで遊んでいる訳ではない事を知った。そして、私自身も、社会人になって時間的、精神的制約が出来るようになると、「買ってしばらくやってそれっきり」というゲームが多くなってしまった。いきなり流れた「新しい世界」に、そんな事をふと考えてしまった。それにしても、やっぱりジェネレーションギャップだよな。有野さんも多分そうだろうけれど、「ゲームヲタ」にとって「スーパーファミコン」はかなり「あとの方」のハードなんだよな。また、ファイナルファンタジーファイブの音楽は、植松伸夫氏のもっともメロディにバリエーションが富んでいた頃の作品で、さらにサウンドの赤尾実さんとのコンビネーションで非常にクオリティの高いサウンドを提供してくれていた。様々な種類の音を組み合わせてこのゲームのサウンドは作られていたので、正直いうとキーボードではゲームサウンドに忠実な演奏はできないんだよな。こまつさんのゲーム音楽ネタが最も生きるのは、3音しかなかったファミコンのゲーム音楽に限るなあとはっきり思ったのであった。

2月2日に「スピンオフ完全版」(収録しているところの後ろのブースでしゅんたんとゲストが喋っていたもの)をCSで放送するそうだが、アナログテレビしかない私にとっては無縁の話だ。スピンオフ自体は番組HPを見れば十分だし。たいてい、「カットされた部分」を後から補って観たとしても、そこに大きな驚きが隠れている事はまずないのが常道であるからだ。それよりも純粋な「次回」がいつ、どんなメンバーで繰り広げられるのか、それが気になるところだ。

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2008年1月 7日 (月)

時代劇に求められるものは

日本テレビ「世界一受けたい授業」で何度か見たことのある日本史の河合敦先生は、いろいろと日本史の小ネタを提供してくれて興味深い。この番組で知ったことの受け売りであるが、例えば「鎌倉幕府の成立は私達は1192(いいくに)年と習ったが、いまは1185年と教科書に書いてある」とか、「日本の馬は130センチぐらいの小さな馬で、時代劇などで颯爽と駆けていくのはみんなウソ」といったたぐいで自分が常識だと思っていたことが実は違っていたというのを明らかにしているところに惹かれるのである。

そんな番組内で一番衝撃的だったのは、「江戸時代の各国を示す“藩”という言葉は江戸時代には存在せず、明治に入ってから旧体制の行政単位を示す言葉として作られた」という話だった。つまり時代劇の台詞で「我が藩は~」とかいうのは全部ウソだというのである。馬はポニーのような馬になってもらっちゃ格好がつかないが、藩という言葉も時代劇には外せない、今さら間違いだと言われてもすぐには直せないところである。それを言ったらタッキーが演じた「かっこいい」源義経も、昨年の大河ドラマの後半の入道のような武田信玄もウソになってしまう。源義経と伝えられている肖像画はかっこいい男ではないし、見栄えの悪い人物だったと書には書かれているというし、有名な武田信玄の肖像とされる画も、当時のしきたりと矛盾があって本人かどうか疑わしいという事になっているらしい。

今さら直せないところは今まで通り、「多くの日本人が思い描いている時代劇」をやってくれればいいと思っているが、最近「それでいいの?」と首をかしげてしまうものがあった。

暮れに放送された映画「武士の一分」。話題の映画という事で評判が高かったようだが、1分と見ていられなかった。台詞が完全な現代語だからだ。「こんなん、時代劇じゃねえじゃんか」私にはこの作品を観ようという気にはまったくなれなかった。ストーリーや、役者の芝居は感動的なものがあるのだろうが(結局観てないからわからないけれど)、大前提として言葉が現代語じゃ感情移入なんて出来やしない。私からしてみれば、かつらをかぶらないで時代劇をやっているのに等しい。今の人たちはそんなことにこだわらないのだろうか。

そしてもう一つ、この日始まったNHK大河ドラマ「篤姫」だ。今年1年、楽しめるかどうか確かめるために家族全員で第1話を観た。もともと私は「戦国時代」「合戦物」は観たいが「人間ドラマ」的なものは避けているので、よっぽど感動しない限り観続ける気は無いと思って観ていたのだが…。

しばらくは普通に見続けた。歴史上のものすごく有名な人物・名を馳せた武将ではないのでストーリーの大枠を理解するのに時間がかかりそうだが、まあそれはいいとして観続けた。主人公が生まれて、子役が演じる幼少期のエピソードが入り、主役登場・・・というところで一気に興味が失せた。

宮崎あおい、現代語じゃん。考えてみりゃ、町の人々は薩摩弁で位の高い人は方言じゃないということ自体不自然だが、それはそういう演出だとして割り切ったとしても、このドラマの中で宮崎あおいだけ現代語、もっといえば立ち居振る舞いが現代人というのは明らかにおかしい。

朝の連続テレビ小説でいかに高評価だったとはいえ、それとこれ(時代劇)とは話が違うだろうよ。この調子で1年間いくとしたら私は到底耐えられない。

もともと大河ドラマにリアリティを求めてはいけない(人気女優が主人公の妻などを演じると、旦那が老けたメイクをする頃になっても女優はシワ一つなかったりする)のかもしれないが、これでいいのか?裏でやってた「あんみつ姫」と間違えてしまいそうだ。

この日の放送後、テレビ朝日では「天と地と」が放送されていた。昨年の大河ドラマと同じ「川中島の合戦」を描いたドラマということで、「大河」を見終わった視聴者をそのまま取り込もうという魂胆がミエミエだが、主役の松岡くんはかっこよかった。TOKIOの一員でありながら時代劇は相当のキャリアを積んでいて、もう貫禄すら感じさせる立ち居振る舞いであった。NHKの大河ドラマと民放の時代劇では掛けられている予算が全く違うと言われている。このドラマを「大河ドラマの低予算版」とタカをくくって観ていたが、なかなかどうして。急ぎ足の感は否めないが、壮大なドラマの「総集編」をみているような気にさせた。予算を掛けて豪華な俳優をそろえても、「主役が現代人」というドラマではしょうがない。

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2008年1月 3日 (木)

紅白をざっと振り返る

2007年の紅白歌合戦は最初から最後まで一度もチャンネルを変えることなく観た。

後日発表された視聴率は歴代2番目に低い視聴率であったというが、年々テレビを見ている総数が下がっている中でだから、私は低いとは思わない。下がったといっても国民の4割が見ている計算になる番組なんだから、どうこう言われる筋合いはないだろう。例年紅白を見ない人たちを巻き込もうと思わないことだ。かつて紅白を観ていたという人をもう一回テレビの前に呼び寄せる、そんな番組を目指すべきというのが私の考えだから、それは効を奏していたと思う。

何と言っても、くだらない歌手参加の企画が大幅に減ったのがよかった。出場歌手の合間の「企画」コーナーも全て「歌」を歌うというものだったから大賛成だ。いちおう、「企画」は「紅白」の審査対象と分けて、集計時間の合間に企画が入るという形だったようだが、お茶の間審査員でもない一般の視聴者には常に歌が楽しめるという事でよかった。

よく、他の歌手やゲストのタレントがこれから歌う歌手の曲を紹介するという演出が多かったが、今回は大幅に減った。美川憲一が歌う前に必ず登場していたコロッケも今回は出てなかったし、お決まりの演出はTOKIOの歌う前にリーダー城島のドラマでのお父さん役の写真を持ち出す(これ去年もやった)ぐらいだろうか。

その代わりに司会の鶴瓶が一生懸命その歌手のこと、その歌のことを自分の言葉で紹介していた。オープニングから「曲名覚えた?SMAPは?」「…こうがんファイター」とか飛ばしたり「ポロリ」ネタで引っ張り続けてて「大丈夫か?」と思わせたが、後半になってくると鶴瓶の思い入れが強い曲・歌手の紹介では熱っぽく語るところが好感が持てた。どのへんまで台本に書かれていたことなのか、時には「もっと要約してから話せよ」と思うシーンもあったが、長くなるところは中居くんが上手くちゃちを入れる形でまとめたりしてフォローしていた。さすがは民放のバラエティー番組で共演している二人である。最後の最後に「仰天ですねー」と言っていたのは大目に見なくては。

今回の58回から、59回、60回と3回にかけて「歌力(うたぢから)」というテーマを掲げているということだ。例年紅白を見続けて、今回の紅白を観た人なら、「次も観たい」人と「もう出なくていい」という人はハッキリ色分けすることが出来たのではないだろうか。

鶴瓶の司会は次回はないだろうが、それは「不評だから」という事ではなくて「ここで出せるものはみんな出したから」と前向きに評価したい。

前半、特に若い人向けの歌手は1曲ではなくて短い曲を数曲メドレーでという形で歌っていたけれど、こういう歌手は総じて「次回は結構」といったところだろう。特に「ハロプロ」はどんなに毎年活動を続けていても結局は「LOVEマシーン」でないと視聴者にわかってもらえないというのが辛い。オリジナルを歌ってたメンバーは今回1人もいないじゃん。どうぞこれに懲りて「紅白」はキレイサッパリ卒業してもらいたい。「紅白に出ることによってハロプロが国民的アイドルの座をキープする」というもくろみはとっくに成立しなくなっているという事だ。

「アキバ枠」はなんだったんだろうね?AKB48はどう考えても「紅白」の場に出るべきじゃないユニットだったよな。大いに失望した。リアディゾンは下手すぎ。本来はNHKは、多くの番組に出演している中川翔子だけを出したかったんだけど、それだと「番組に出てるから選ばれたんだろ」とかつての森口博子(POPJAMの司会をしていたから毎年出場できたと言われていた)のように思われるんじゃないかと思って特別なユニットにしたんじゃないだろうか?しかしそんな心配も無用だ。今回の圧倒的なステージパフォーマンスを見れば、次回は「Romanticあげるよ」でしょこたんが2回目の出場を果たすのは間違いないだろう。初めて聞いたが、普通に歌上手くてビックリした。声優もやってるっていうんだから才能に驚きだ。おそらく「空色デイズ」はチャートで急上昇するんじゃないだろうか?テレビ東京系アニメの主題歌で、放映されない地域ではほとんどチェックされなかっただろうからな。テレ東が映らないとしょこたんの活躍の半分は知らずに終わるから恐ろしい。

すぎもとまさとさんの「吾亦紅」は惜しかった。いい曲なんだろうけれど、鶴瓶が「AMラジオで凄い評判になっている」事を熱弁して「ここ(紅白)で歌った後にエライことになる」とか言っちゃったために聞く方が身構えちゃった。「千の風になって」はまだ聞いた事のなかった多くの人が紅白で初めて聞いてその衝撃で一大ムーブメントを巻き起こしたのだが、その再来を期待して歌わせているという意図が見えてしまったら感動は生まれない。

前回、手に「お初」と書いていたmihimaruGT、今回はなんて書いてあったんだろう?今年はビデオデッキが壊れたためにに録画していないので細かいネタに関しては触れられない。次回までにDVDレコーダーを買わなければ。

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2007年12月28日 (金)

世界一奇妙なクイズ

年末になるとレギュラー番組がなくなってしまってつまらないと思うのだが、ごくたまにそんな中に「これはっ」と思う番組があったりする。

昨晩テレビ朝日で放送された1時間番組「世界一奇妙なクイズ」。この番組の前に放送されたという「世界一キモいクイズ」なる番組は存在すら知らなかったが、新聞のテレビ欄に引かれて見てしまった。

それぞれの分野の「ヲタ」を自認するゲストがクイズ形式でトークを繰り広げていくというものであるが、クイズはそれほどメインではない。正解数が多いからどうという事は特になさそうな感じである。とにかく、VTRとトークがメインになっている。

よゐこ有野課長のことはよく知らない、というか「ゲームセンターCX」という番組もまったく見たことないので彼がどれほどディープなゲーム「ヲタ」であるかはよく知らないが、「高橋名人」の映画は懐かしかった。小さい頃から親に連れられて観た映画以外はほとんど自分の意志で映画を見ることはない(自分だけの意志で観た映画は生涯で今年の「しゃべれどもしゃべれども」だけだったと言ってもいい)私であるが、「高橋名人VS毛利名人」の映画は小学校当時の友人と見にいった。2本立てで、1本目はゲームが好きでゲームを作る人たちのドラマを描いたアニメ映画で、2本目がメインの「高橋名人対毛利名人」のスターソルジャー対決だった。確か毛利名人の方が3本とって「勝利」したのだったが、合計スコアでは高橋名人の方が高かった-というような結末だったと記憶している。そして映画の中で一番ハッキリ覚えているカットが、この番組でも問題になっていた「16連射で○○○を破壊する」シーンだった。もう放送された後だから「スイカ」って書いても問題ないのだが。

この番組で一番感動したのは「こまつ」さんのキーボード演奏!「ドラクエIII」の戦闘シーン最高!もっとも私はつい数年前までファミコン(ニューファミコンではあるが)でドラクエIIIなどをやっていたから何十年ぶりに聞いたという感動ではないのだが、ゲーム音楽を完璧(かどうかは知らないが、少なくとも記憶の中の音楽は完全にこの音である)に弾きこなしているのに感動した。音楽室のピアノの前でドラクエのフィールドの音楽を一音ずつ探して鳴らしていた頃を思い出した。ピアノの素養などまったくないので、主旋律をたどたどしく鳴らすのが精一杯だった私。ファミコンの音源は3音であるが、ドラクエIIIの音楽は人の手で再現できるとは思ってもいなかった。コマンド入力の「ピピッ」という音も入っていて、敵を倒してレベルアップして、…喜んでコントローラーを引っ張ったりなんかしてその拍子にゲームが止まるような経験まで再現してくれるものだから涙モノであった。しかし間髪入れずにしょこたんが「ドラクエV出来ますか?」と聞いたあたりはジェネレーションギャップを感じた瞬間だった。しょこたんはスーファミ世代だからな。私だったら、「その後、冒険の書が消えるところ」をリクエストするね。「グラディウス1面クリア」も感動した。最初の音楽が流れ、背景が変わるあたりで最初の音楽がフェイドアウトしてそのステージのメインテーマが流れ、またそのメインテーマがフェイドアウトすると、スクロールが止まって火山が爆発、そしてボス「コア」との戦闘に突入する。流れが完璧だったが、その場にいた出演者はほとんど全員その画までは浮かんでいなかったようだったのがまた笑えた。

テレビ朝日のホームページを見にいったら、この続きは1月16日(水)の深夜に放送されるという。今回出演していたのにメインの出番がなかった勝俣(プロレスヲタ)、岡田ひかり(高校野球ヲタ)などがメインになるのだろうか。楽しみな番組が増えた。が、人気が出てゴールデンとかになると番組の良さはなくなってしまうだろうから、細々と、忘れた頃に放送されるというスタイルで続けてほしい。

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2007年12月26日 (水)

あと6回

2007年も今日を含めてあと6日。このブログも毎日1つ以上の記事を書き続けてきて今日で360日目だが、ここに来てネタ枯れの危機。ということでこの日発表された紅白歌合戦の審査員と演出について。

まず審査員。確かに今年の顔というべき10人のゲスト審査員が顔をそろえる訳だが、そういえば事前のスポーツ紙等の記事では、野球日本代表の星野監督や東国原宮崎県知事などの名前が挙がっていた。大リーグ中継に力を入れているNHKらしく、毎年大リーグで活躍した選手が1人入るのだが、松坂でなくて岡島というあたり、人選には苦労があったことを伺わせる。その他、宮崎あおいさんや茂木健一郎さんはNHKの顔と言ってもいいぐらいの人たちだ。陣内智則と藤原紀香という、夫婦で審査員というのは確かに話題を引くが、2人で1組ではなくて1人ずつ票を投じるのなら、どうしても陣内くんだけ他のそうそうたる顔ぶれの中にいると場違い的な雰囲気になりそうだ。そんなところもネタにしてくれるのを期待しようか。

あわせて「企画」も発表された。昨年だと企画の中身はほどほどに、ゲスト出演するタレントの名前を一括で発表するスタイルだったが、今回の時点では演出がらみのゲストが明らかになっただけのようだ。実際にゲストがこれだけという事はないだろう。早乙女太一が坂本冬美のバックで舞うなど、紅白ならではの演出は期待が持てるが、前川清とクールファイブにムーディー勝山が入っちゃうというのは大丈夫なんだろうか。ギャグを封印して渋く決めるならいいが、それではわざわざ出てくる意味ないし、歌を邪魔するギャグなんてかまそうものなら、昨年のように抗議の電話が来てしまいかねない。

かねてより出場が確実視されていた「おしりかじり虫」は、やっぱり出場することが正式に発表された。という事は去年ベッキーが進行役をやって好評だった(私の中で)「みんなの歌メドレー」のようなコーナーがあるのだろうか。ルー出演の可能性もまだある?

「ZARD」は3曲披露されるようだ。3曲もやるなんて、長渕剛がベルリンからえんえん歌った時みたいじゃないの。ただでさえ生きている歌手の出場が紅組の方が2組多くて、ZARDで感動させられたら、やる前から紅組勝利のシナリオが出来ているといわざるを得ないじゃないの。白組からも「植木等」を出すべきだろう!!

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2007年12月 6日 (木)

一夜明けて・・・

冷静に「紅白歌合戦」の出場歌手を改めてみてみた。

http://www3.nhk.or.jp/kouhaku/syutuen/index.html

やはり何と言っても「ハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊」の存在が納得いかない。そもそも出演者の選考の主導権はNHKにあるはずなのに、特定の事務所の言いなりになっているとしか思えない。小室ファミリー全盛期に、「所属の大物ミュージシャンを出演させる条件として、知念里奈を出演させろと要求してきた」なんて不確かな噂を聞いた事があるが、その当時の知念よりはるかに国民の認知度で下回る「Berryz工房」と「℃-ute」なる2組を「歌手」として出演させるとはいかなることか。前から「モーニング娘。」のバックダンサーを務めてきたという「功労」で「歌手」に格上げという事なのか。それが「歌力」なのだろうか。ちょっとでも国民に知れたヒット曲ある?あ、それを言ったら本家「モーニング娘。」にも今年を代表する曲なんてありはしなかったな。例年「モーニング娘。」には何だかんだで「ハロプロ」の他のタレントを一緒に出演させることが多かったが、それは「現在のメンバーよりも知名度がある元メンバーを出演させる」ことが目的だった。「モーニング娘。」に、より知名度の劣る2組を援軍としてつける意味は何なのだろう。

続いて首をかしげるのが「企画」の「小椋桂×美空ひばり」だ。まず、釣り合わない。片や、日本歌謡界に燦然と輝く昭和の歌姫、かたや細く長く活動を続けるシンガーソングライター。伝説になっている人と現役のミュージシャン。「王監督と川﨑選手、どっちが好き?」と聞くようなものだ。対等な対決にはなりえない。どちらにとっても迷惑な話だ。代表曲を3曲程度、紅白それぞれの有志が歌い上げるのだろうか。それで「どっちが良かった?」と視聴者に訴えるのだろうか?恐ろしい。

あとは「SONGS」枠。プロデューサーの独断だと思われても仕方のないところだ。私のような30代の人間からすると「寺尾聰がセルフカバー」というのもそれほどのムーブメントとは思われなかったんだが。「あみん」?1曲だけでしょ。1年半ぐらいで活動をやめて、20何年かたって再開してまだ数ヶ月。あわせて2年ちょっとのキャリアでしょ。去年活動再開した「米米CLUB」は、去年の時点では出させず、1年間様子を見て「これならOK」と判断して今年出演となったんでしょ?「あみん」ももうちょっと見てから決めるべきだったんでは?同番組に出演した歌手の中で「不倫」と「盗作」の疑惑(あくまで疑惑の域を出ないが)のある歌手が出ているが、「DJ OZMA」のような爆弾を抱え込んだんじゃないかと不安になる。

爆弾と言えば「森進一」。ステージ外のゴタゴタはかたがついたの?土壇場になって「出演できません」なんてことはないようにしてもらわないと。あ、その時はぜひともゴスペラーズをよろしくお願いします。

今回「ヒップホップ」系のミュージシャンが全滅だった。例年、「ヒップホップ系は紅白でウケない」から仕方がないか。一家でコタツを囲んでみるシーンにどうやっても合わないんだよな。私が見ての唯一の例外は「Def Teck」。残念ながら今年解散しちゃったけれど、紅白で歌った「my way」は美しい映像をバックに力強く歌い上げておそらく全国のお茶の間にも感動を与えられたと思う。同じ年の「m-flo loves 和田アキ子」が痛すぎたのと対照的だった。ホントは探せば「ヒップホップ系だけど美しいメロディで聴かせられる」というアーティストはいるんだけれどなぁ。

あと、メンバーを見る限り、ここ数年頻発していた「中継での出演」はなさそうだ。これが本来あるべき姿だろう。

「大物アーティストに逃げられた」「地味なラインナップ」とか、各紙は書きたてているが、言わせておけばいい。元々「紅白に出るべき人」と「紅白に出るべきでない人」はいると思うし、出るべきでない人を無理やり出す事が本当にいい事とは思わない。もう「B’zに、宇多田さんに、毎年オファーは出してるんですけど・・・」とか「関係者の話」として言わなくていいと思う。「視聴率狙いはやめます」って宣言したんじゃなかったっけ?貫いてほしいよ。柔道家とか他のジャンルの人ををK-1のリングに上げてサ、表面上はワーって盛り上がるけど本当のK-1ファンは心のどこかで苦々しく思ってたりするもんでしょ?同じことよ。

毎年思うんだが、民放テレビ局はワイドショーやバラエティで、NHKの一番組である紅白について、ああだこうだ言わないでもらいたい。特に日曜日の昼間に生放送に出演する人とか。さんざんネタにしたあとでバラエティ向きのアナウンサーが「わが局では大晦日は○○を放送しますので見てください!」と言うのは本当に腹が立つ。

「冷静に振り返る」つもりが、愚痴のオンパレードになってしまった。ここ15年くらい、毎年見ているから言いたい事もどうしても増えてしまう。…愛は、ある。

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2007年12月 4日 (火)

なぜ当たらない?

まったく当たらなかった紅白出場者。ちょうど「toto」風に言うとあれこれ波乱を考えていたらまったくガチガチの結果だったという感じだ。まさに「サプライズがないのがサプライズ」といったところ。

例年「ベテランは大多数が連続出場で、若手はその年限り」という風潮が強かった全体の構成だが、今回目立つのは昨年初出場して着実に2度目を勝ち取ったアーティストが多いことだ。大人気となった秋川雅史と安定した力を見せる絢香の2回目は間違いないと思っていたが、それ以外にもアンジェラ・アキ、mihimaru GT、そして徳永英明までもが2年連続2回目出場となった。これは珍しいことだ。

そして今年の傾向としては初出場が少ない。少ないと言ってもひな壇に並んだ人の数は今までで一番多かったが。紅組では少し前から芸能紙にもたらされた情報の通り、初出場の「アキバ枠」でAKB48、中川翔子、リア・ディゾンの3組(で総勢50人!)がトップバッターという「怪情報」が現実のものになった。NHKは「アキバ枠」とは言っていないが、紅組の方が2組多い現状から推察するに、既報の通りなのであろう。

初出場はこの3組の他に「ハロープロジェクト10周年記念」でモーニング娘。と一緒に出演が決まった「Berryz工房」と「℃-ute」というグループだが、私はこの2組のメンバーを誰一人知らない。曲も知らない。TKファミリー(小室哲哉プロデュース)の全盛時代に、事務所側が実績のないアーティストを「抱き合わせ」で出させようとしたなんて噂を聞いたことがあるが、ここまで露骨にプロデューサーのわがままに答える必要あるんだろうかと疑問を抱いた。正直、この場で「モーニング娘。」解散を宣言するものだとひそかに思っていたが、別のアーティストをわざわざ呼びつけるあたりそんな事もないようだ。

中村中の初出場は予想が当たった(中った?)が、女性「歌手」で初選出はこれだけとは意外だ。よく見ると紅白常連の藤あや子と夏川りみが選ばれていない。NHKの朝ドラに出演していた森昌子の連続出場もなかった。歌を歌える状態にあるかわからないドリカムが出たことは期待していなかっただけに嬉しいが、ダーティーなイメージがあると思われていた一青窈が出たのは意外だった。久々にヒットを飛ばした安室ちゃんや、カバー曲で滑り込みを図った(ように見えた)ELTの返り咲きはならなかった。あみんは「SONGS」に出たから可能性はあるかと思っていたが、あの番組だけで決め手になったかなと思うと本当に視聴者の意見であったかどうかは疑わしい。中村中以外の女性歌手を発掘することは叶わなかった・・・。

白組は話題先行のルー大柴が出ていない。考えてみればNHKは一言も言ってなかった。「おしりかじり虫」と競演する関根麻里にルー大柴と仲の良い関根勉が応援隊長・隊員を務める事で「この2組は当然出るもの」と錯覚させられていたと思うと完全に騙されたという思いだ。ただし、昨年ベッキーが案内役をやった「みんなの歌特集」は私はとても好印象だったから、おそらくそういう場が用意されると踏んでいる。少なくともおしりかじり虫の方は確実だろう。そんな場面での出演を本人が呑めばルー氏の出演もありえると思ってる。

細川たかしの出場辞退は驚きだったが、一方で作詞家との関係が修復されず世間を騒がせた森進一と、盗作騒動から裁判にまでなっている槇原敬之の出場が決まったのは驚きだ。さすが今年のテーマ「歌力(うたぢから)」、過去に歌った歌の持つ素晴らしさを優先してアーティストの資質とかは2の次というのが良くわかる。

いつも思うんだが、「w-inds.」ってホントに売れてるんだろうか。毎年レコード大賞のナントカ部門にノミネートされてるが、そんなに目立った活躍をしてるとはとても思えない。おそらく私にとって彼らの曲を聴くのは1年に1回、紅白の舞台でのみというのがここ3年くらいは続いている。「WaT」も1回目でマイクを倒されたお詫びの2回目が済んだのだから、正直3回目はないと思っていたんだが…。

今年の「泣ける歌」枠は「風味堂」ではなくて「すぎもとまさと」だった。今年の「頑張ってるオジサン」枠は「横山剣」さんではなく「馬場俊英」さんだった。馬場さんに曲を作ってもらった、K-MIX(静岡県のFM局)のズミさん(そういうパーソナリティ)は今ごろ大騒ぎだろうな。これで曲が「ブルーバード」だったら卒倒しちゃうだろう。

さて、発表の日を心待ちにしていた私であるが、ここまで書いててずいぶん批判的な記述が多くなってるなーと自分でも感じている。そう、不満なのだ。

ゴスペラーズが出てないじゃないか…。

大人の楽しめる楽曲を集めるんじゃなかったの?

心に残る歌を伝える、まさに

「歌い手」を望んでいるんじゃなかったの?

見るのボイコットしちゃおうかな。それぐらいショックだ…。

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2007年11月 7日 (水)

そろそろ紅白の話題

明日は立冬ということで、年末だなーと言う感じが一気に高まってきた今日この頃。

例年この時期になると大晦日の紅白歌合戦の出場歌手をああでもないこうでもないと予想するのだが、今年はどうにも難しい。CDが売れない時代、昔ならCDの売り上げ枚数で流行っている歌は何かを判断することが出来たが、今はそれがわかりにくい。加えて私も32歳になる。最近は世の中のミュージックシーンでメインターゲットとされている世代と離されてきたなというのをひしひしと感じる。

今年の紅白のプロデューサーはNHKの音楽番組「SONGS」を手がけている人だという事で、この番組に取り上げられた大物ミュージシャンが紅白に登場するのではないかという憶測も出ている。私は「ミュージックカクテル」(パパイヤ鈴木が案内人だった)「音楽夢くらぶ」(中村雅俊が案内人)といったNHKの夜11時台の歌番組をよく見ていたのでこの「SONGS」も全放送回の半分以上は見ているが、何しろ第1回が長いことテレビ出演を断り続けていた「竹内まりや」だったということで、「この番組を手がけるプロデューサーはどれだけ力を持った人なんだ」と思ったものである。そうして考えると、今まで出ることなど考えられなかった大物歌手の出演もありえるかも知れない。

また、今年の紅白の出場歌手の選考において、「DJオズマショック」を外して考えることはできない。思うに今年は初めから「不二家」を初めとする老舗食品メーカーのずさんな商品管理や「あるある」の番組内容捏造が明らかになり、「既存の価値観の崩壊」が顕著になった年であったが、一連の流れの中に、この「DJオズマショック」も同質の問題なのではないかと思っている。こじつけのような気もしなくもないが、それはいわゆる「視聴率偏重主義」「売り上げ至上主義」といった、消費者・視聴者をおいてけぼりにした「作り手主体」の考え方が長らくこの世を支配してきたことを意味する。今日のネット上のニュースでは、「番組のヤマ場でCMに突入する」という手法は多くの視聴者にとって「不愉快」であるという調査結果が発表されていたが、いままでは「視聴率を獲るために制作者側はどんなことでもやる」という時代だったし、結果として「魅力ある番組が出来るのなら」と視聴者もそれに付いて来た感があった。しかしそういった「視聴率偏重主義」「作り手主体」がもたらした一連の問題によって、視聴者の見る目も変わってきたし、作り手も目指すところを替えなければならない時にきていると思う。紅白の制作者はきっぱりと「視聴率を稼ぐ作りかたはしない」と言っている。奇をてらった演出は無しでいい番組を作ってくれることを期待したい。

今回の紅白は58回だが、再来年の60回までの向こう3年間を共通のコンセプトで作っていくという話であった。そして「紅白の対決にこだわらない」と言うようなことも言っている。確かに、男女のユニットは昔からもいたが、必ずどちらかの出場歌手として登録されてきた。「だんご3兄弟(白組…だったっけ?)」とか、「ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツ(メインボーカルが女性だから紅組だったけれど…)」とか、どちらかに決めてしまうのがおかしいと思えなくもない。最近だと「m-flo」に和田アキ子がボーカルとして入って白組という演出もあったが、こういうのをどちらかの組に分類するというのは、そろそろ考え直してもいいのかもしれない。数年前には「女子十二楽坊+錦織健」(荒城の月)、「森山良子+BEGIN+夏川りみ」(涙そうそう)といった「紅白共演」というのもあったが、今回もそれに近い演出があるかもしれない。巷では「紅白の審査対象外として今まで出てこなかった大物歌手を出す」なんて予想もあるらしいが、そういうのだったら呼ばなくていいよ。

こういう考え方を出したのはそういうユニットの出演を予想しているのであるが、まずは性別判定不能の「おしりかじり虫」の出場が濃厚なこと。と言っても私自身はこの歌が流行っているという事を感じることは全く出来ないのだが。それと私の好きなアーティストも多く参加している「福耳」にも出てもらいたい。「杏子、山崎まさよし、スガシカオ」の頃から注目していたが、いつの間にか「スキマスイッチ」や「元ちとせ」なども加わった大所帯になっており、みんな出たら豪華だなというのがある。

NHKは2年前に一般の人から聞きたい歌を投票してもらう「スキウタ」を実施した。私も投票したが結局、劇的に出場メンバーが変わると言う訳ではなく、「渡辺美里」や「ユーミン」などの一部の大物ミュージシャンに初出場の理由を与えたにとどまった(といっても凄いことではあったが)。何回も出演しているメンバーは今年も大差ないと思われる。強いてあげれば、出たり出なかったりというポジションの「山本譲二」は今年オヤジ(北島三郎)のところから独立したという事で多少話題があったから出さしてやんなとか、昨年の紅白の後にでひと騒動起こしちゃった「森進一」はダメかもしれないなとか、そのぐらいだろう。

ベテランという訳ではないが紅白の常連というグループの中では、私の好きな「ゴスペラーズ」が出るかどうかが気にかかる。昨年童謡の「ふるさと」で出場したのは少なからずショックだった。それは「オリジナル曲はそれほど良くない」と言われているようなものだし、果たして今年もこういう出場なのか、それとも「それならば」と言って出ない道を選ぶのか。個人的には「童謡」は紅白にはぜひ出てきて欲しいものだが、それだったら「由紀さおり・安田祥子」を出してくれと言いたい。大河ドラマに出演した「Gackt」は本人が嫌だといわない限りは出させようとするだろう。「モーニング娘。」(というのは名前だけで実際にはハロプロというグループでの出場)は、今年あたり「サヨナラ公演」とでもするんじゃないだろうかと勝手に予測してみたりする。「夏川りみ」は4年連続で「涙そうそう」を歌い、昨年やっと違う歌を歌うと思ったら「花」だった。という事で今年は再び「涙そうそう」で、同様に同じ歌での連続出場というパターンでほぼ間違いない「秋山雅史」との「泣ける歌対決」で、作曲者の「新井満」が一緒に出るかどうかが私にとって最大の関心事である。かつては「テレビに出ない」ことがウリのようなものだった「ゆず」。最近は出たり出なかったりだが、今年は映画「しゃべれどもしゃべれども」の主題歌を歌った。この歌自体はそんなに爆発的にヒットした訳ではないが、ひょっとしたら「今年の邦画」でこれから年末にかけてテレビ等で注目され、主題歌に再度スポットライトが当たるということもあるんじゃないだろうか、というか唯一私が見た映画だからぜひそうなってほしいと言う願いも込めて出場予想としたい。

茶番以外の何者でもなかった「RING SHOW(輪唱)」や「みのもんた宙吊り」とかセンスのなさを露呈し続けてきた「企画モノ」は、今年は正統派の歌モノで、「今年亡くなったアーティストを偲んで」としてやってもらいたい。紅組有志で「ZARD」、白組有志で「植木等」のヒット曲をメドレーで、そして全体の有志で「阿久悠」さんの手がけたヒット曲メドレーをやってほしい。正統派の音楽番組作りを紅白歌合戦には期待する。

長くなったので若いヒトたちの出場予想などはまた後日にしたい。それまでに今年どんなヒット曲が生まれたのか調べておかないと。

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2007年8月 7日 (火)

オバマ市と徒然亭

女優の貫地谷しほりさんが「笑っていいとも」に出演していた。全国に6世帯しかいない珍しい名字だと言っていたが、それはさておきお友達紹介で呼んだのは京本政樹さんだった。「ドラマで共演している」と言っていたので、「さては、秋から始まる朝ドラだな」と感づいたので調べてみたらビンゴだった。

この秋から始まるNHKの朝ドラは「ちりとてちん」。福井県出身のヒロインが、上方落語の世界に飛び込んでいくというお話らしい。ホームページを見ていると、福井県小浜市を舞台とした家族の姿はクローズアップされているが、大阪での話の中心になるであろう落語の方は、ロケ写真がまだないこともあってあまり詳しくは載っていない。

テレフォンショッキングで紹介された京本政樹さんは主人公の叔父でふらふらしているドラクエVIIでいうホンダラのような役どころらしい。しかし驚いたのは主人公の父親、つまり京本さんの兄というのが松重豊さんであるという。そう、映画「しゃべれどもしゃべれども」で主人公に落語を教わる元野球選手という役を演じたコワモテの俳優さんだ。この映画でも結局、落語を披露することはなかったわけだが、今回も自身で落語をやるわけではないが落語家の主人公の近くにいる存在という役を演じることになっている。また、松重さんも京本さんも時代劇に欠かせない俳優という点では共通しており、全然似てない兄弟というわけでもないのかもしれない。

もうひとつ驚いたのが物語の中核をなすであろう、上方落語の一門が「徒然亭」という名前であったことだ。「それが何か?」と多くの方は思うであろう。きわめて個人的なことなのだが、この私が大学時代に落研で名乗っていた亭号が「徒然亭」である。このブログのタイトル「ゆーのすけーぷ2」は、私の大学時代の高座名「徒然亭ゆ之助」に由来している。私のいた「愛知大学落語研究会」は江戸落語が主流で上方落語を演じる人は少なかった。この中の「徒然亭」は昭和41年の落語研究会創設当時から始まった亭号で、その初代は「徒然亭風来坊」という名であった。いっぽう、このドラマの「徒然亭」の師匠は、渡瀬恒彦さん演じる上方落語の(元?)大看板「徒然亭草若(そうじゃく)」という名であるという。ちなみに「草」も「若」も愛大落研の「徒然亭」で名前によく使われる字であった。

愛知大学落語研究会公認ページ

http://www2.tokai.or.jp/eunoscape/rakugo.html

愛大落研40年の歴史を伝える「落研系図」は私が書いたものです(つうか正真正銘自分のサイトであるが)。

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2007年6月30日 (土)

半年経ってまたこの話題

私のこのブログ「ゆーのすけーぷ2」は始めて2年近くが経つが、長いこと更新は1週間に1度程度という日々が続いた。しかし2007年こそはと思い立ち、2006年の大晦日から今日に至るまで1日に必ず1本以上の記事を投稿してきた。「日付に1つ記事が入るように」なので厳密には2晩に1度ブログを開いて0時前に1本、0時を過ぎてから1本というパターンが多いが、自分でもこんなに続くとは思わなかった。あと半年も続けたいものだ。

そんな連続投稿の最初に当たるのが昨年の12月31日。何のことを書いたかといえば、「紅白歌合戦」だった。という訳で、あと半年後に迫った今年の紅白歌合戦の独自予想といこう。こんなに早く書く人は他にいない?

まずは「大物アーティストの初出場」毎年話題にはなるが得てして話題に上った人物が出場するとは限らない。それでもここ数年だけでも、中島みゆき・倉木麻衣・ユーミンといった、「まさかこの人が出るとは」という初出場もあったし、長年確執が噂されていた長渕剛、それに今でこそテレビに出るようになったが初出場当時のゆずはテレビにほとんど出なかったし、テレビ的に珍しい訳ではないものの今まで出てなかった大物歌手、渡辺美里・徳永英明・今井美樹などの出場も嬉しかった。今年前半のNHKの音楽番組だと、春に始まった「SONGS」の第1回放送で23年ぶり(だったっけ?)にテレビに出演した竹内まりやの名前が浮かぶ。現在、同番組では力を入れて矢沢永吉を特集しており、「今度こそ」という思いを感じる。他に佐野元春や大貫妙子ら大物歌手が毎回出演している。あと「プレミアム10」ではコンサートのゲストとしてMr.Childrenの桜井和寿が出演するというドキュメントも放送していた。こうやって力を入れて放送している歌手の中から出場者が出るのか、注目だ。他に「SONGS」出演アーティストでいくと、チューリップは活動終了に間に合うかどうかわからない。再結成したあみんもいるが「待つわ」をいま聞きたい、という機が熟すかどうかにかかっている(他の歌はあり得ないだろうし)。

06年の出場で今年の出場が危ぶまれているのは誰か?まず、DJ OZMAはNHK出入禁止になっているらしいということで決定。とばっちりを受けて氣志團の出場もないだろう。肝いりで復帰した森昌子は朝ドラ出演もあって引き続き支持を集めると思いきや、存在感は急に薄くなっている。新曲が大ヒットでもしない限り出場は難しそうだ。また、作詞家とトラブルを抱える森進一も今のままなら危うい。私の好きなゴスペラーズも、昨年はオリジナル曲ではなく童謡「ふるさと」であった。今後も紅白ではこの路線で行く、というのも一つの手だが、オリジナルの楽曲が紅白的に必要とされていないのは寂しい。06年は出なかったがそれまで出ていた一青窈。スキャンダル報道後も「SONGS」には出演していたが、紅白となると話は別だろう。

例年、「紅白を最後に解散」するアーティストも多い。古くはチェッカーズ(確かそうだったような気が…)、ZONEなどがいた。そして今回、その系譜に並びそうなのが、モーニング娘。ではないだろうか。そんなにアクセス数多くないから書いちゃうけれど、今年あたり派手にやらないと、今まで確保してきた出場枠そのものがなくなってしまうと思うよ。NHKとしても長年多くのファンを紅白に向けさせてくれ、自身の歌以外にも紅白の顔として出続けてくれたという貢献度を高く評価しているだろうから、ここらあたりでいい演出をしてあげたらとはお互いに考えているんじゃないだろうか。まあ、喫煙解雇は「元」メンバーだし、「できちゃった婚」も仕事人としては問題ありでも世間一般では特に目くじらたててもいないし、交際発覚で脱退というのは、ここだけの特殊な事例であり「スキャンダル」という訳でもないから、冷静に考えれば出場辞退に追い込まれるような失態をしたわけではない。が、本家「モーニング娘。」自体の注目度があまりに低い。「Def DIVA」とセットにしたり「GAM」とセットにしたり、過去のメンバーを呼んだり、という「抱き合わせ」を毎回続けていては苦しい。

秋川雅史、2年連続同じ歌で確定だろう。スガシカオもたぶん出るだろう。米米CLUB、昨年は復活直後で見送られたがその後も長く活動してるということで出場の可能性は十分ある。昨年のBONNIE PINKのように長年活動して評価されての出場とくれば、LOVE PSYCHEDELICOあたりだろう。初出場予想だと、ちまたで噂のGReeeeNとか、湘南乃風とか(レゲエのグループでひとまとめというのもあるかも。結婚したし)、YUIとかも人気高そうだな。数年ぶりに郷ひろみも出るだろうな。大河出演のGacktも強力にプッシュされることだろう。

企画ものとしては坂井泉水さんや植木等さんなど、亡くなった歌手のヒット曲をゆかりある人が歌うというのはどうだろう。

最後に、司会者予想。白組司会は今のところ中居君しか思いつかない。赤組で、我らが静岡県出身の鎌倉千秋アナや久保田由佳アナというのは希望だが、本命は来年の大河ドラマの主役を史上最年少で務める宮﨑あおい、対抗は秋の朝ドラでヒロイン、今年の大河ドラマで注目された貫地谷しほりといったとこだろうか。

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2007年6月 9日 (土)

お気に入りの俳優さん

私は映画やドラマは極端に観ない人間だと思っているが、今回久々に観た映画「しゃべれども しゃべれども」に出ている俳優さんについて、自分なりに思っていることをつらつら書いてみようと思う。

まず、主役の噺家・三つ葉を演じた国分太一さん。確か「全在京キー局にレギュラーを持っている」という超がつく売れっ子であるという。私が目にするのは「DASH村」と「メントレG」だろうか。「鉄腕DASH」は「DASH村」以外のコーナーは観る価値ないと思っているのだが、やはり動植物のことを熱心に知ろうとしている姿というのは頭が下がる。料理も上手そうだし、いろいろな生活の智恵も持っていそうだし、番組を通じてTOKIOの皆さん、男を上げているなあとつくづく感じる。そこらへん、ジャニーズのほかのタレントと、一線画すところだなと思う。「メントレG」の国分くんの見せ場は、ゲストトーク前の「楽屋訪問」と「料理を旨そうに食べる」ところだろう。日曜日に移動してからはほとんど通してみることもなくなったが、いろいろなゲストとトークすることで、これまたどんどん交友関係が増えているのだろうと思う。「オーラの泉」は共演者がうさんくさいので一度も観たことがない。

だが、この人の魅力を一番感じられるのは何と言ってもFMラジオの「RADIO BOX」であろう。毎週聞いているわけではないが、もう長いことやっている。仕事から帰るのがちょうど放送時間帯であることが多く、気がつけばやっているという感覚だ。1時間、ゲストもなく、放送作家の人が隣で笑い声だけかぶせてくる、まさに独り舞台。作家が作ったお題と、全国のリスナーが送ってくるお便りが番組の主な要素だが、その素材を自分の喋りだけで1時間の番組に仕立て上げる姿はまさに噺家のそれに重なる。オープニングトークで一般的な話題を振っているように見せかけて、独自のマニアックな話に持っていく話術。お便りを読む合間にボケてみて、反応を伺う。とんちんかんなことを言っているのも全て計算づくかと時々思ってしまう。見事と言うしかない。

最近の放送では、「しゃべれども~」を観た人から「上手いね」と言われるよりも、本職の人に「自分の若い頃を思い出した」と言われることが本当に嬉しかったと言っていた。ある噺家がこの映画を見て「俳優がこれだけやっているのに負けられない」と落語の稽古をしたというエピソードは聴いててホントにすごいと思った。本人(国分くん)の口から言われてもちっとも嫌味に聞こえないのがいい。ただ、惜しむべくは、仕事が忙しすぎてすれ違いがあったということだろうか・・・。

ヒロイン・五月を演じた香里奈という人は正直よく知らなかった。せいぜい「コミファ光」のCMで、レゲエダンサー2人を従えてやる気のない踊りを披露していることぐらいしか知らなかった。あんな女優さんが実は落語できるんだという、なんか秘密を知ってしまったような気がしておもしろい。ん、レゲエといい、実は「いろもの」好きなのかも?・・・後で調べたら「コミファ光」のCMは中部地区限定だった。世間一般には「資生堂TSUBAKIのCMに出てる人」として知られているようだ。(って言ったってあのCM大勢出てるからよくわからんというのが正直なところだが)。モデル出身のすらっとした容姿はもっとも落語と遠そうなところにいる。そうでなくちゃ、「黒猫」と呼ばれる五月の役がつとまらない。こちらもはまり役だ。

コワモテの元プロ野球選手・湯河原に扮しているのは松重豊さんだ。実は今回のキャストの中で、私にとって一番ドラマでおなじみなのは松重さんだったりする。10年前のNHK大河ドラマ「毛利元就」で元就の二男、吉川元春役を演じていた。「三本の矢」で有名な元就の3人の子は、人徳の長男隆元を上川隆也、戦上手の二男を松重豊、智略の三男小早川隆景を恵俊彰が演じていた。一目見て「二男はまず戦で名を挙げる性格の人だ」とわからせる説得力を持った顔である。「踊る大捜査線」ではいかりや長助が椅子にくくりつけられちゃう回の特殊部隊の指揮官として出てきた記憶がある(違ってたらごめんなさい)。その後大河ドラマ「北条時宗」では商人の息子でありながら時宗を陰ながら支えるという役どころを演じた(イマイチ見せ場が少なかったのは残念だが)。特に近年の時代劇には欠かせない存在となりつつあるようで、斬られ役、悪役として多くのドラマ・映画に出ている。こないだ(と言っても数年前だが)は村上孔明の柳生十兵衛が主役の時代劇でラスボスとして毎回出演していたっけ。「腕っぷし一本で生きてきたから口は立たん」というのが、まさにこの人の演じるキャラの身上だ。

子役の森永悠希くんは末恐ろしい子だ。枝雀の落語を気に入って一生懸命真似してしまうという村林少年役だが、これ以上ないはまり役だ。本人は「村林とは性格が正反対」と言っているらしいが、楽しそうに枝雀落語をコピーする様は、演技だとわかっていながらも本当に生き生きとしている。撮影を通じてメインキャストの人たち、特に松重豊さんと仲良くなったということを聞いた。せっかくこうして個性的な俳優が集まって仲良くなったのだから、映画一本で終わってしまわずに、テレビドラマのような新たな展開が起こらないかなとひそかに期待してしまう。それか原作者の佐藤多佳子さんに続編を書いてもらうとか?

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2007年6月 7日 (木)

原作と映画

なにしろ、映画なんて自分から観ることがほとんどない人間のつぶやきだから、大した文章ではない。たまたま原作を読み、その映画を観ただけの話である。

「しゃべれども しゃべれども」の原作が書かれたのは約10年前。ちょうど私が落語研究会に所属していた。もし自分の落語人生を映画化するとしたら(なんて馬鹿なたとえを出してるんだか)、そのクライマックスシーンは、大学3年の夏に、名古屋で唯一現存する定席の寄席「大須演芸場」で行った寄席で「蒟蒻問答」を演じた場面になるだろうか。

原作と映画の相違点で一番最初に目に付くのは、落語を習う生徒が集う最初のきっかけになる、主人公・三つ葉のいとこ「綾丸良」が存在しない点である。言いたいことばかり言ってコミュニケーションにならない生徒達の中にあって、引っ込み思案な性格もあって物腰柔らかく、メンバー間の緩衝材のような存在だった彼が映画では跡形もなくなっている。どうせ生徒達は、協力し合ったり仲良くなったりしないで話が進んでいくのだから、緩衝材はいらないという判断だったのだろう。連続ドラマならともかく、1本の筋の通った映画に仕立てるにあたり、ありとあらゆるものをそぎ落としていくという作業が念入りに行われたと思われる。

原作では、三つ葉が生徒達に落語を教える―というか、他者とコミュニケーションをとるのが苦手な生徒達が集まる場を提供している、といったほうが端的かもしれない―生徒達の場面と、三つ葉自身が自分の噺について悩み、もがき、独自の考えでいろいろなことを試みる場面が交互に現れる。しかし映画では、三つ葉があれこれ奮闘するエピソードは大幅にそがれている。原作では、古典落語の背景を知るために図書館に通い詰めたり、古典落語のライブラリーを収集している先輩の噺家に会いに行ったりといろいろな場面があるのだが、ほとんどなくなっている。あるのは電車や水上バスなどで、四六時中ネタを喋っている(我々の間では「口につける」という)場面になっている。その方が「しゃべれども しゃべれども」というタイトルに合致しているしね。それに、特別な工夫を凝らしてもそれがうまくハマるのは稀で、実際はひたすら同じことを繰り返したり、日常生活を過ごしていくうちで経験したことが、知らず知らず自分のオリジナリティを出すことにつながっていることが良くあるわけで、この映画はそういうことを、あまり饒舌にならずにさりげなく訴えているのだろう。三つ葉が師匠の前で落語を一席通したあとで、師匠に「そのままでどうすんだよ」と言われてしまう場面がある。「どうすりゃいんだよ」「アドバイス、せめてヒントだけでもくれよ」と思ってしまうが、結局それは自分でもがきながら見つけるしかない。見つける、と言っても「これだったのか」と気づくことは稀だから、「身につける」しかないと言った方がいい。

私が「大須演芸場」で落語を演じた1年後、同じ落語研究会の寄席で、同じ大須の高座から落語を披露した私の1年後輩がいる。大須の観客を大いに沸かした彼がその時演じたネタが、「火焔太鼓」であった。このネタはわれわれにとって非常に人気が高い。人のいい道具屋にしっかりものの奥さんという、落語の王道の登場人物。さらにお侍も出てくるから噺にある程度の重々しさが出る。馬鹿正直な者が大金を得るというストーリー、随所にちりばめられたクスグリ(笑いどころ)、後半から終盤にかけての畳み掛ける展開は、上手くハマれば会場を大爆笑の渦に巻き込みながらストンと落とすことが出来る噺だ。滑稽話の究極型といっても過言ではない。これが落語を何十年も聴いているベテランのファンだと、人情噺とか、もっと渋い噺が好きということにもなるだろうが、落語に出逢って数年、という私達にとってはもっとも好きな噺の一つに挙げられると思う。原作では師匠の十八番で三つ葉が一門会で挑戦する噺というのは「茶の湯」というネタであるが、どちらかと言えば特殊な噺である「茶の湯」より、一般ウケする「火焔太鼓」を国分太一くんに挑戦させたもくろみはみごと成功した。

三つ葉が「火焔太鼓」を熱演する姿を見て、落語研究会の後輩が同じ噺を演じた大須の高座を思い出した。彼はその後、噺家の門を叩き、今は「柳家右太楼」という名の噺家になっている。三つ葉と同じ「二つ目」だ。右太楼は30歳。原作では三つ葉は26歳と言うことになっているが、入門して7~8年という点では、落語研究会を4年やってから上京した彼と丁度重なる。

それにしても国分太一くんの「三つ葉」っぷりは見事というしかない。「火焔太鼓」を演じている姿は本職の噺家の二つ目と疑いようがない。本人は左利きで仕草(=所作)で苦労したと言っていたが、落語のシーンでは「左利きの国分太一」であることをすっかり忘れさせてくれた(噺家は観客に違和感を持たせないために、左利きであっても右利きの所作を行う)。ただ、落語ではなく蕎麦屋で蕎麦を食べるシーンだけは、右手で箸を持つ手に力が入ってないなと見えた。「メントレレストラン」では左手に箸を持って「うめぇ~」といってる姿が印象的だからね。

全編を通じて、東京・下町の風景を大切にしている。残念ながら、私なんかは東京=高層ビルのジャングル、という程度の認識しかなく、この手の演出にホロリとは全くなびかないのが自分でも悔しい限りだ。香里奈演じる十河は、「黒猫」というモチーフはそのままだが、演劇の心得がある(らしい)、OLをやっている(らしい)といった、「ミステリアスな都会の女」とする原作の設定はなくなり、同じ下町に暮らす人として、原作でほとんど出てこない両親も出てくるようになった。これもひとえに「下町」を演出するためなのだろう。

あと、原作と映画の相違点というと、「クライマックスシーンでのドタバタ」の有無が挙げられる。この話のクライマックスシーンは「一門会で三つ葉がネタを披露する」場面と「生徒が『まんじゅうこわい東西対決』と銘打ってみんなの前でネタを披露する」2つの場面がある。原作者は落語文化に造詣があるだけでなく、ある程度この「高座」に敬意を払っていると思われる。どちらの場面も、準備万端、つつがなく運ぶように描かれている。原作では「そこに行き着く過程」に主眼が置かれているが、映画はそうすんなり発表の場面を用意してはくれない。「一門会」の方は、とある騒動の次の日だったというふうにシナリオが書き換えられているし、「まんじゅうこわい東西対決」も「なんで、この期に及んで・・・」というちょっとしたドタバタが用意されている。

映画好きの人は、ブログで書くネタに困ることはないだろうなと今回つくづく思った。今回は原作と映画の相違点を中心に書いてみた。今度はどんな視点で書いてみようか…。

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2007年6月 4日 (月)

映画観にドライブ

静岡県では公開されていない映画「しゃべれども しゃべれども」。ふだん映画など観に行くことのない私だが、原作を読んでいたこと、何より「落語」をテーマにした映画であることからこの上なく興味を持っていた。さらにこのブログでこの映画のことを取り上げた以上、観ない訳には行かないと勝手に思うようになっていた。映画慣れしていない分、こういう映画は公開開始から何週間上演されているものなのか全く見当が付かない。ただ私が持ち合わせている知識と言えば、ハリウッド版「ファイナルファンタジー」があまりに期待はずれで1週間で上演が終わったという情報のみである。もともと、「総制作費○億円」というように大々的に宣伝されるような「大作」ではないだろうが、こういった性格の映画がどれくらいの期間、上演されるのかもわからない。だから出来るだけ早く見に行かなければと思い、6月3日の日曜日(私は日曜日しか仕事の休みがない)に観ることに決めた。

と言っても、静岡県で公開していないんだから、どこかへ行かなければいけない。調べたところ、私が大学時代を過ごした豊橋で公開がある。大学時代に行った場所だから道もわかる。早起きできれば11時の上映を観ようと思ったが、起きたのが11時だったのでそれは無理。さっそく14時30分の回に決め、昼前に焼津を出発した。

車中のBGMは、先週GETしたばかりのCD、タイトルは「ワンシーン」。歌っているのは「廣木弓子with櫻井大介」・・・ったって、ほとんどの人は存じ上げないと思う。静岡県のFMラジオ局のアナウンサーと、デビュー1年目のシンガー・ソングライターという組み合わせでCDは非売品だ。地元のコンビニで販売されるジュースのキャンペーンソングで、先週の発売日に廣木アナウンサーが焼津のコンビニにやって来たので買いに行ったのだった。ご本人にCDに直筆サインもしてもらい、直接手渡されてしまったとくりゃ、応援しないわけには行くまい。ということで2時間のドライブ中、何十回聞いたことだろう。

ふと思った。一緒に歌っている櫻井くんは歌手だが、廣木ちゃんはれっきとしたアナウンサーだ。歌手ではない。歌は…歌が好きだから、一般人よりは歌が上手いと思っているから、こういう企画に進んで参加するのだろうが、あくまでアナウンサーだ。歌いだしのソロは多少うわずった声で素人っぽさが前面に出ているが、サビにさしかかり、歌手である櫻井くんのハモリが入ってくると、なんとなく歌として聴けてしまう。いや、メジャーデビューしている歌手の中にだって、これより下手な「顔だけシンガー」っているよな(○瀬○る○とか)。

そっか、素人と歌手の歌の決定的な違いは「度胸」だな。「自分は歌手として歌っているんだ」という度胸が据わった状態で歌を録音する。逆に言えばそういう状態になるまで何回でも録音を繰り返すのが本職なのだろう。

そう、何故こんなことをわざわざ書いたかといえば、この映画「しゃべれども しゃべれども」も、本職の噺家ではない俳優が、落語に挑戦するという映画だ。特に国分太一くんや伊東四朗さんは噺家の役だ。つまり「自分は噺家だ」という度胸が据わった状態まで、撮影で持っていくことが出来ただろうかというのが、この映画の最大の見どころなんだろうなと考えながら、車は豊橋に入っていった。

通称ホリディ・イン(大学生当時の呼び名で、今はなんていうかは知らない)の駐車場に車を止めたのが2時ちょっと過ぎ。朝から何も食べてないが、映画を観ながら何かを音立てて食べるのは他人だったら許せないし、自分もしたくない。ということでそのまま会場に向かった。

映画自体は1時間59分という、今の主流から比べると短いものである。私のように映画慣れしていない人間にとっては長すぎず、短すぎずのちょうどいい時間だ。映画の細かな感想は、また別の機会に記すとして、先に述べた、「俳優が噺家になり切れていたか」と言う点に関しては、もうばっちり噺家さんだった。大作を観た時のような大きな感情(観ている間の大きな高揚感と、見終わったあとの大きな喪失感)ではない、様々な小さな感情がたくさん残る、そんな感じの映画だった。はるばる観に来て、まずは良かった。

この日、豊橋の隣の蒲郡では、私が昔から行かせていただいている落語会があった。映画が終わったのが4時30分で、蒲郡の落語会が5時30分開演だ。寄り道しなければ間に合う。さてどうするか。映画に満足したからそれだけで焼津に帰っても価値はあることだったが、せっかく遠くまで来たのだから用事は1つより2つの方がいいと思い、蒲郡に向かった。5時30分、会場は大入り満員。上方落語の会で、お客さんは大爆笑。しかし私はトータル3時間の運転疲れで頭痛がひどく、笑うどころじゃなかった。結局この体調不良の原因は朝から何も食べてないでここまで来てしまったことだった。通り越してもう空腹感はないのだが、体はしっかりエネルギー不足の警告を発し続けていた。帰り、生まれて初めて自分の運転で車酔いになって吐いた。

貧乏性だなあ。映画観て用が済んだと思えば、帰っていいじゃないか。帰りに何か食べていけば、気持ち悪くなることもなかったろうに。それと、自分は「落語を演るのが好き」であって「落語を聴くのはそれほど好きではない」ことを改めて感じた。この映画を好きになったのは、「悩みを持った人たちが落語に取り組む」という原作のテーマ、また「俳優が本職でない落語に取り組む」という映画のテーマが自分にとって共感できたからだったんだと思う。

今度は、俳優さんの落語に取り組んだ姿、また、この映画が原作をどう料理して1本の映画にしていったかなどについて触れたいと思う。

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2007年6月 2日 (土)

小ネタでポン(映画の事)

ふだん映画なんて見に行くこともないのだが、たまたま今回は本気で見たいと思っていただけに言わせてもらう。

なんで静岡県には「しゃべれどもしゃべれども」の上映がないんだ。ホームページを見たら、全国47都道府県のうち40都道府県で上映されているじゃないか。テレビの番宣で「一部放送局を除きます」と書いてあって自分のとこがその「一部放送局」だったとわかった時のような悔しさだ。

山梨でも長野でも、愛知はもちろん岐阜でも三重でも、まわりはみんな上映してるじゃないか。静岡県は380万人と全国で10番目に人口の多い都道府県だぞ。政令指定都市が2つもあるんだぞ。静岡市葵区にも清水区にもでっかい映画館はあるぞ。今をときめく人気の噺家、春風亭昇太の出身県だぞ。静岡県民が落語に関心を持ってないとは言えないぞ。

テレビ東京が来るよりも、まずこの文化的格差を何とかしてくれ。

映画「しゃべれども しゃべれども」公式ページ

http://www.shaberedomo.com/

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2007年6月 1日 (金)

来るかテレ東

「地デジ」って何?「ワンセグ」って何?アナログの地上波放送しか知らない私にとって、2011年のデジタル化以降のテレビはどうなるんだろうと全くわからないでいた。と言っても、インターネットに依存する生活が続いているため、昔ほどテレビを重要視していないし、見たいテレビ番組の数も減っているので、「まあなるようになるさ」と思っていたが、さっき興味深い記事を見つけた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070531-00000115-yom-ent

これによると、2011年以降に静岡にテレビ東京の系列局が作られるかというではないか。われら静岡県民にとっての長年の悲願が達成されるかもしれない。

テレビ東京の系列局は、記事によると6局しかないという。私の手元には古い資料しかないが、関東地方のテレビ東京、関西地方のテレビ大阪、テレビ愛知、TVQ九州放送、テレビ北海道、テレビせとうち、だと思われる。大学4年間だけ愛知県に住んでいたがテレビ愛知は岐阜県や三重県でもみられたと記憶している。どうだろう、全国1億2千万人のうち、テレビ東京系のテレビを見られるのは3~4千万人ぐらいだろうか?

テレビ東京といえば、私どもだとアニメ「キャプテン翼」が思い浮かぶ。静岡県ではフジテレビ系列の「テレビ静岡」で放映されていたから、多くの静岡県民は「キャプテン翼はフジテレビ製」だと思っていることだろう。今で言うと「ポケモン」がTBS系列の「SBS静岡放送」で放送されているから「ポケモンはみのもんたの出てるのと同じ局」だと思われていることだろう。土曜日の午後なんかは日本テレビ系列の「静岡第一テレビ」で「なんでも鑑定団」を、同じ時間にテレ朝系列の「静岡朝日テレビ」で「TVチャンピオン」を放送していたりして、もう何だかわからない状態である。

人気の番組は後日(だいたい数日遅れ、もしくは数週間遅れ)で地元の放送局が放送している訳だが、スポーツ中継やニュース番組などはどうしようもない。だからテレビ東京の局アナなど、静岡では全くといいほど誰も知られていない。

スポーツ中継と言えば、プロ野球中継は長いことテレビ東京では放送されなかったと聞いている。数年前、とうとうテレビ東京で巨人戦が中継されるということで、「この日は静岡で巨人戦が見れないよ」と文句を言いたくなったことがあったが、今となってはどの局も巨人戦をやらない日が多くなってしまってそんな文句も消えてしまった。サッカーW杯で、民放が中継する試合(昨年のドイツ大会だと予選2試合目の日本-クロアチア戦)の放送局を決めるくじ引きも、テレビ東京を除く4局で行われたんだった。

テレビ東京といえばいまでも思い出すのが1993年の「ドーハの悲劇」だ。カタールのドーハで行われたサッカーW杯アメリカ大会の出場を賭けたアジア最終予選、最終戦のイラク戦はテレビ東京での放送だった。そう、何度もテレビで放送されるあの悲劇、中山が頭を抱えてピッチに倒れ込むあの姿、当時はテレビ東京で放送されたので、静岡県民(愛知県に近い浜松などではテレビ愛知が映るらしいが)をはじめとする多くの地方の国民は、生では見ていなかったのだ。我が家では砂嵐の向こうに見えるテレ東の映像と、ラジオ中継の音声を組み合わせてこの試合を観戦していた。昔の白黒テレビより悪い画像だったっけ。静岡にも系列局が出来れば、ああいう思いをすることもなくなるんだな。

ところで、テレビ東京って、どんな番組があるんだろう。たしかに「鑑定団」のようなバラエティ番組、「ポケモン」に代表される人気のアニメーションはすぐに思い浮かぶ。特に愛知県に住んでいた頃(94~98年)は「エヴァンゲリオン」「少女革命ウテナ」など、そうそうたる作品が連日放送されていたものだ。今でも、アニメの質・量ともにテレビ東京が最も強いんではないだろうかと思っている。しかし、それ以外というと、昼間はえんえん株式情報などの経済ニュース、休日はゴルフと釣りと旅番組ばっかりやっているというイメージなんだよな。テレビ東京製作の2時間ドラマや時代劇などのソフトは、静岡ではほとんど見られない。はじめから視聴者の数が他の民放で制作する番組より少ないと思えば、出演者のモチベーションも他局に比べれば、おのずと低下しているんではないだろうか?

テレビ全体で見たい番組も減っているし、個々の番組の質の低下も目に余る。番組が多すぎるから下請け孫受けが仕事に忙殺され「あるあるII」のような大チョンボをやらかす。本当は、テレビ東京あたり他の放送局と合併して、テレビ全体の番組数が減ってくれた方がいいなとは個人的には思っているんだが。それはさておき、とにかく注意深く見守りたいところだ。

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